やっぱり、紙の本が好き💓
書店の中をゆっくりと歩き、色々な本を手に取る贅沢な時間。
先週末、久しぶりに地元の大きな大きな書店に足を運びました。
買いたい本が、あったのです。
そして、迷わず買って、目下、読書中。
今日は、その本のことを書いてみたくなりました。
憧れの女性作家 ふたり
大好きな女性作家がいます。
向田邦子さん、そして、小池真理子さん
二人とも「大人の女性」を感じます。
20代前半よく読んだのが、向田邦子さんのエッセイ。
出版された本、ほとんど買って、読んでいたと思います。
中年になって読んだのは、小池真理子さんの大人の恋愛小説。
小池真理子さんは、私より、年上ですが、今でも素敵です。
50歳のころ、ある人に「小池真理子に雰囲気が似ている」と言われ、有頂天になったことがあります。
(注意⚠:日大理事長・林真理子さんではありません。みなさん、間違われるので、念のため。)
ぎょえーっ!そうなんだ。
ムフフ・・・本を読んでいると著者に似てくるのかな←アホです(笑)
↑滅多にないことなので、いつまでも記憶として残っているのです。
その小池真理子さんが選んだ「精選女性随筆集 向田邦子」
その本の情報を得たからには、読まないわけにはいきません。
ん・・・この本は、昔のように、本屋さんで買いたい。
そんな思いから、週末、地元の大きな書店に足を運びました。
可笑しい話の中に見えた悲しみ
当時、大人の女性と思っていた向田邦子さん。
あらためて年齢を確認すると、私の母よりも年上だったのですね。
昭和のドラマ作家としても、活躍されていました。
ほら、有名な「寺内貫太郎一家」「時間ですよ」「だいこんの花」などなど。
家族をテーマにした、温かい昭和の風景。そこに、人間臭さを上手に表されていたのですね。
その向田邦子さんが飛行機事故で、突然、亡くなられたときは、衝撃でした。
この本の中で、小池真理子さんが語っています。
「向田邦子さんの吹き出してしまうほど可笑しい話、楽しい話を読んでいても、淡い悲しみにも似たものが込みあげてくる。それは、向田邦子さんが、表現者として頂点をきわめているさなかに、ふいにかき消えるように、いなくなってしまったことと、決して無関係ではないように思う」と。
人間の温かさの中に、何とも言えない哀しみが見え隠れする。
人の運命なんて、誰にもわからない。
小池さんの文を読んで、向田邦子さんは、ご自身のはかない人生を、作品の中に無意識に表現されていたのだとすれば、なんだか、不思議な気持ちになりました。
『字のない葉書』
たくさん読んだ向田邦子さんの随筆の中に、忘れられないものがあります。
今回、やっぱり、小池真理子さんも選んでくれていました。
『字のない葉書』というタイトルです。
時は昭和20年。戦争が激しくなり、子供たちが学童疎開をします。当時、疎開する向田さんの小1の妹に、お父様が持たせたもの。
それは、父親が自分の宛先を書いた、ハガキの束。
当時、まだ、字が書けない妹に向けて、
「元気な日は〇を書いて、毎日1枚ずつポストに入れなさい」との言葉とともに。
最初のハガキ、疎開先でぼた餅や赤飯で歓迎された妹は、葉書いっぱいはみ出すような〇印を書いて送ってきます。翌日から急激に〇は小さくなり、やがて✖に変わっていったと。そして、百日咳にかかった妹からは、葉書は届かなくなります。・・・妹が帰ってきた日、父は痩せた妹の肩をだき、声を出して泣いた。向田さんは、大人の男が声を立てて泣くのを初めて見たと書かれています。
↑要約が下手過ぎて、響かないかも知れませんが、20代前半の私は、この文章を読んで、なんだか、とても、切なく、悲しくなったことを覚えています。
そして、いつまでも、忘れられない随筆となっているのです。
読後、潜在意識として「父の愛」に気付いた私
『字のない葉書』が、40年以上経っても、私は、忘れられないのです。
何故、この文章が印象的だったのか・・・。
当時、色々あって、父との関係が悪くなっていた私。
(これまでの、ブログに色々とアップしていますが)
向田邦子さんの随筆を読んで、私も(自分の)父の愛に、気付いたのかも(意識の奥底で)
当時は、この文章が何故、心に響いたのか、よくわかっていなかったけれど、シニアになった今、再読して、その真相に近づけたような気がします。
やっぱり、時を経て、本を再読することって、意味が大きいのかもしれません。
どうしても、早逝した母に気持ちが行ってしまっていた私ですが、
年齢を重ねた今、父からも本当に多くの愛をもらっていたと気付きます。
人間は、それぞれ、弱い面があるもの。
その一部の面だけを見て、父を批難していた自分の未熟さに改めて気づかされます。
は・・・・ぁ。
あちらに行ったら、思いっきり、謝ろっと。(謝ること、ばっかりや(笑))
そして、両親に感謝を伝えなければ・・・
あの世があると信じて。
今日は、40年以上の時を経て、憧れの女性の文章に再会した話を書きました。
向田邦子さんの影響もたくさん受けて、ブログを書こうと思った私がいます。
まぁ、こんな、おちゃらけた、未熟な文章を書いている私が、「影響を受け」なんて、
向田さんにとっては、大変、失礼ですが(笑)
向田邦子さんの本を読み、改めて両親の愛を感じたアーモンドです。
今日も、最後まで、読んで下さってありがとうございましたm(__)m
そうか・・・そう言うことやったんや・・・(と改めて唸った私です。)
コメントなし