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☆『このまま死ねるか!?』を読んで

本・映画

米国がイランを攻撃したニュースが流れています。

死者が1000人を超えたとか、死者の中には、小学校への攻撃により死亡した児童と教師が含まれているとか。

戦争は、何故、こんなに「いのち」を軽く扱うのでしょうか?

大きなため息が出る日々です。

生死を自分で決めなければいけない病

そんな中、『境を越えて このまま死ねるか!?』の本を読みました。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の岡部宏生さんによって、書かれた本です。

ALSは、運動神経だけが選択的に侵されて、自己意識下で動かすことのできる筋肉が、動かせなくなる病とのこと。

全身不随になって生きるか、生きることを諦めるかを自分で決断しなければならない過酷な病。

岡部さんは、目の動きによって、コミュニケーションをとる日々。

そんな環境で、「いのち」に向き合う1冊の本ができあがりました。

凄い努力と根性と・・・想像を絶する作業だと思います。

kindleでの読書、気になる箇所に、オレンジ色のマーカーを付けながら読み進めたら、

な。。。。なんと、オレンジマーカーだらけ。

作者が「いのち」と真剣に向き合っているからこそ、どのページにも重く深い言葉が並んでいます。

今を生きる

病は、日々、進行していくので、『モチベーションの一つは、今日できることを精一杯やる、今日すべきことは明日に伸ばすな』と書かれています。

「今」しかないという事。

「今を生きる」

言葉に説得力があります。

岡部氏が「幸せは?」と聞かれたとき、即答されたのは「心が動くときです」と。

身体は、動かないけれど、心が動く。。。

理屈ではなく、「こころが動いた瞬間」

喜びだったり、気持ちがよくなったり、感動したり・・・

そして、言語によるコミュニケーションを越えたところに、心のコミュニケーションがあるとも。

『生きる意味とか、生きる価値とかばかり言ったり考えたりすることによって、あたかも自分の考えが正しいものなのだ、と思わないようにしたいと願っています。私の考え、それは無限の中の一つに過ぎないと。』

そして、支援についてもドキリとする言葉がありました。

『社会のために役にたちたいなどという気持ちもごく自然なものだ。ただ、そこに潜んでいる感情の中には【優越感】がないだろうか』

私も50代の頃、ケアの勉強や活動をしていたとき、なんとなく感じて、悩んでいたことがあったのです。

ケアすること自体に、自分の中になんかしっくりしない感情について考えたことがありました。

なんだか言語化するには難しい「モヤモヤ」

ケアをする方の優越感。無意識にそんな風な感覚を持っていたとしたら。。。。。。。危険だと。

ケアの勉強をしているとき、同じ学びをしている人の中に、そんな違和感を見つけた時、心の中がモヤッと。

難しいですね。

支援する側とされる側の関係。

そして、『支援はdoingばかりではなくて、beingが最高な時がしばしばある。』

『具体的な何かをするという事も大切だけど、ただ、そばに居てくれる人がいるなんて最高だと思いませんか』とも。

身体介護ももちろん生きていくためには必要だけれど、ただそばに居てくれる人がいる・・・その暖かみって、心に届くものなのですね。

「尊厳」という言葉も固有の意味があることを教えてくれます。

「生きることそのもの」、そして、「どうやって生きていくか」は、どちらも大切だけれど、まず、「生きる」ことそのものが前提になる。

尊厳の議論は、最初の「生きることそのもの」の視点で議論されるべきだと岡部氏。

いのちの根源まで深く考えないと、「尊厳」なんて、口にできないのかも。

生きる意味を考える

読み進めていく中で、一番、印象に残ったのは、

『生きる意味より、生きていること自体がその意味なのだという事』

難しくて、私の中では、まだ消化できていないんだけれど、

いのちと真剣に向き合っている作者の言葉。

これまで、困難なことにぶつかると、「生きる意味」を繰り返し、問うてきた私。

「自分の人生にどんな意味があるのか」と問うのではなく、「人生(状況)が自分に何を求めているか」

フランクルが『夜と霧』で語った言葉に魅せられ、人生の意味を考えて生きてきたけれど、

今回、もっと深いところの、

『生きていること自体に意味がある』

その言葉に出会い、新たな気づきも。

フランクルは、人生における意味の探求を私に教えてくれたけれど、

もっと根源的な考え、「生きていること自体に意味がある」

極限状態で生きたフランクルもそうだけれど、一瞬一瞬のいのちと向き合っている岡部氏の言葉も響きました。

極限状態ではない私には、どこまでわかっているのかも、疑問だけど。

いや、たぶん、まだわかっていない⤵

本を読み終えて知ったのですが、昨年7月に岡部さんは逝去されたそうです。

それにしても、こんなに真剣に、ひとつの「いのち」の重みを発信してくれた岡部さん。

一瞬一瞬の危険と隣り合わせに生きている人がいる。

いのちの重みを本当に知っている人がいる。

それなのに、テレビから流れるニュースに唖然とする日々。

重く重く、どこまでも重い「いのち」を一瞬で消してしまう戦争。

本を読みながら、人間ってなんなんだろうと考えさせらたアーモンドです。

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