夫の入院生活は、40日あまり。
闘病中の彼は、息子たちを残して、亡くなってしまうことに複雑な思いがあったはず。
私も初めての凄まじい経験のなか、戸惑いながら、日々を過ごすことに必死でした。
そして、彼の気持ちにゆっくりと耳を傾けることができる時間は、残されていませんでした。
時間があっても、どうしたらいいのか、よくわからなかったのが本音かな。
そんな自責の念を抱きながら、闘病されている方々のお話を聴く勉強を始めました。
スピリチュアルケアって?
研究所では、グリーフケアと並行して、スピリチュアルケアを学びました。
スピリチュアルケア? なんじゃ、それ? って方も多いと思います。
スピリチュアルと言えば、あちらの世界が見えるとか、オカルト的なイメージを持っている方もおられると思います。
私が学んだスピリチュアルケアの勉強とは、 👇
スピリチュアルケア学とは、
「危機的状況に置かれた人間のいのちを支える根源を見つけ出して、その本質を明らかにし、患者の魂の痛みへの具体的ケアの方法を見つけ出す学問」
スピリチュアルケアを語る 第三集 関西学院大学出版会 より
何やら、難しそうですね。
●危機的状況 → ホスピスで例えると、死を目前にしている患者
●人間のいのちを支える根源 → 生きていくための支え
ということでしょうか。死に直面した患者の苦しみに寄り添うケア。。。。
ターミナルケア担当の看護師向けに講座があったり、看護学校では授業に取り入れたりしています。
病院以外でも、生きていく中で、危機的状況に置かれた方も対象となります。
研修プログラムって?
研究所では、臨床スピリチュアルケア協会が行っている専門職養成プログラムを取り入れて、研修が行われました。
グループワークを中心に行われ、生育歴を語る時間などがあり、仲間の力を借りて、自分の内面をしっかり見つめる勉強します。
人の話を聴くには、まず、自分がどんな人間なのか 自己理解が必要となります。
傾聴をする場合、自分を通して聴くのですから、どんなバイヤスがかかってしまうのか知っておく必要があると言うことです。
病床訪問もプログラムに組み込まれ、グループによる会話記録の検討なども行います。
危機的状況にある方の話を聴くための研修。
私にとっては、物凄く過酷な研修でした。(泣;)
この1週間に及ぶプログラムを、在籍中に数回経験しました。
途中で、「私には、無理やなぁ。」と何度も挫折しそうになりました。
ホスピスでの傾聴ボランティア
研究所修了後、市民病院、ホスピスなどでボランティア活動をしました。
色々な事情が重なったことと、私なりに思う所があり、今はボランティア活動はしていません。
フルタイムの仕事の傍らでしたので、月に数回でしたが、とても貴重な経験をさせて頂きました。
ここでも、自死遺族会と同じように、患者さんから学ばせて頂くことがたくさんありました。
亡くなられた患者さん、そして、傍らで看病されていた家族さん。
色々な方のお話を一生懸命、聴かせて頂きました。
その出会いは、私の人生の中で忘れないと思います。
実はとっても、奥が深く、私もまだまだ、語れるところまで到達していません。
私が語るには、とっても、おこがましいと自覚しながら、
今日は、スピリチュアルケアについて、つぶやいてみました。では。
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