昨年10月に読んだ本「プリズン サークル」の映画版をずっと観たいと思っていました。
タイミングを外し、なかなか観ることができませんでしたが、ずっと、情報収集はしていました。
先日、「X」で、「大阪で上映」情報をゲット! やったぁ!
しかも、無料♪(無料が大好きな私です(笑))
昨日、行ってきました!
TC(回復共同体)プログラム
場所は、大阪大学中之島センター、主催者は「社会福祉とアート研究会」
20分前に、会場に着くと・・・誰もいない・・・
一人っきりで、上映を待っていると、ポツポツと人が、最終的には十数名が集まりました。
映画の内容、
以前のブログ「プリズンサークルを読んで」にも概要をアップしています。
「島根あさひ社会復帰促進センター」は、官民協働の新しい刑務所。受刑者同士の対話をベースに犯罪の原因を探り、更生を促す「TC=回復共同体」というプログラムを日本で唯一導入している。なぜ自分は今ここにいるのか、いかにして償うのか?彼らが向き合うのは、犯した罪だけではない。幼い頃に経験した貧困、いじめ、虐待、差別などの記憶。痛み、悲しみ、恥辱や怒りといった感情。そしてそれらを表現する言葉を獲得していく・・・
prison-circle.comより
受刑者が幼少時に受けた虐待やいじめを語り、それに耳を傾ける他の受刑者。
自分を語り、自分の内面を探っていく。
聴いてくれる人がいて、初めて語ることができる。
そして、その話を聞いている他の受刑者も自分の過去と重ねていく。
なぜ、自分がここにいるのか、フリーズさせていた感情をとりもどす。
画面に登場するのは、どこにでもいそうな普通(普通ってなんやねん!)の青年たち。
たまたま、自分の置かれた境遇が壮絶だったために、どんどんと狂っていく人生。
本当にひどい虐待や、貧困やいじめの話がでてきます。
ある青年が言います。「ギューッってして欲しい。」
お母さんから抱きしめられたことないのかな?
思わず、ギューッとしてあげたくなった私。
愛をもらったことがなければ、愛することがわからない。
辛い過去を語る青年。
人の心には、限界があります。
壮絶な経験を繰り返しているうちに、心はつぶれてしまいます。
だからと言って、もちろん、犯罪を肯定するのでは、ありませんが。
心理療法で自己と向き合うワーク
以前、私もグリーフケア研究所で、エンプティチェア療法やサイコドラマ療法を取り入れた心理療法を学びました。
同じ療法がこの更生施設でも行われていました。
アンビバレントな感情(相反する感情や考え方を同時に心に抱いている)を抱いた受刑者。
「自分は幸せに死にたい」と思う反面、「罪を犯した自分が幸せに死ぬなんて許せない」と思う受刑者。
誰も座っていない椅子に、もう一人の自分を座らせ、問いかけるのです。
自分自身の心に問いかけながら、自分の内面を探って、いく作業です。
支援者や、仲間の受刑者に見守られながら・・・
登場する青年たちが、涙を流しながら、自分を見つめる作業を繰り返します。
怖かったり、辛かったり。
さまざまな心理療法を使って、受刑者同士の対話をベースに犯罪の原因を探り更生を促していきます。
それは、自分の過去をたどることにもなります。
映画は、「処罰から回復へ 今、日本の刑務所が変わろうとしているー」と伝えています。
但し、年間、多くの受刑者のなかで、このブログラムを受けられるのはたった40名だとか。
一口に「更生」と言っても、やっぱり、とても大変なことなんだろうなぁ・・・
人は人によって傷つき、そして、人によって回復していくんだな。。。
色々と考えながら、映画を観ました。
やや場違いの私・・・
映画を観終えたあと、観賞メンバーで簡単な意見交換会がありました。
大阪大学中之島芸術センター、社会福祉とアート研究会主催
映画製作のアート的な側面からの意見が多かったように思います。
そらそうやね・・・アート研究会やもん。
ちょいと場違いな、アート音痴の私。。。
まぁ、それでもずっと観たかった映画だったので、よかったです。
しかも、無料(←もう、ええっちゅうねん!)
観賞会が終わり、外に出ると綺麗にライトアップされた中之島周辺。
小さいため息が出ました。「ふーっ!」
ちょっぴり、重たい映画を観た私は、イルミネーションを眺めながら、思ったのです。
次は、『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』を観よう!
無性に笑いたくなった私です。
人生、バランスですわ!
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