2001年9月11日の夜、
2階で受験勉強をしていた長男が転がるように階段を降りてきました。
「お母さん!大変!アメリカが凄いことになっている!」
自分の悲嘆と重ねて観たドラマ
世界中に衝撃が走ったアメリカ同時多発テロ事件が起きた夜。
テレビから流れる信じがたい情報に驚き、特に2機目の飛行機が世界貿易センタービル南棟へ突入した生中継の映像が流れたときは、画面にくぎ付けになりました。
アメリカで複数の飛行機が同時にハイジャックされ、日本でテレビを見ていた私も不安な気持ちになりました。
何度も繰り返されたツインタワーの北棟、南棟のビル倒壊映像。
3000人弱の犠牲者のうち、日本人が24人含まれていました。
当時は、関連した番組が、たくさん流れていました。
犠牲者の中に、ニューヨークで単身赴任中の働き盛りの男性がおられ、遺された家族(妻と子供)をドラマ化した番組などが、放映されました。
前年(2000年)に、夫と死別していた私。
小学生と中学生を抱えて必死に生活していた頃、遺された妻と息子さんたちの姿と、自分とを重ねながら、番組を観ていました。
魂が耳元でささやく。。。この番組は観ないとだめだよと
時が流れ、当時40代半ばだった私もすっかりシニア世代。
さまざまな事件、事故がその後もたくさん起こり、同時多発テロの報道が、だんだんと少なくなってきました。
それでも、私の中では、忘れられない日になった9月11日。
今年も新聞のテレビ欄で「9.11 あの日が変えた私の人生」、そんな番組名が目に入りました。
うわ!観たいなあ。
今日の夜は、この番組を観よう!と心に決め、出勤。
ところが・・・
帰宅後の私は、いつものように、もう、ヨレヨレ(´;ω;`)
ソファに腰かけ、観ていたのですが、いつの間にか寝落ち⤵
目が覚めたときは、番組は、既に終了。。。。。トホホ。。。。。
「残念!」
そのとき、私の魂?が、囁きました。「観ないとだめだよ。この番組は」と。
よっしゃ!
NHKプラスで観よう!
便利💕 寝落ちで失敗する私にもチャンスを与えてくれる、そんな世の中になったのですね。
週末の夜、しっかりと観ることができました。
遺された二人の父親 その人生
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ。3千人の犠牲者の中には、24人の日本人もいた。息子を失ったふたりの父親のその後の人生をたどる。息子が殺された理由を知りたいと、テロの首謀者・ビンラディンへの手紙を携えアフガンに渡った父親。テロの記憶を風化させまいと567ページものアメリカ政府の報告書を10年がかりで翻訳した父親。深い悲しみを抱えつつ、憎しみの連鎖を断つために踏み出した人々の23年の記録。
~NHKプラス 「9.11 あの日が変えた私の人生」より~
この番組を通して、息子を同時多発テロで亡くされた二人の父親の人生を知りました。
お1人は、住山一貞さん。
妻と息子二人とお腹の子を遺して、亡くなった杉山陽一さんの父親です。
「息子が、何故、死んだのか真実を知りたい」と事故調査書を翻訳。
テロリストを生んだ背景や社会について知り、テロリストの論理を知ることが、次の悲劇を生まないことになると、翻訳したものに、ご自身の感じたことも加筆。
実に10年の月日をかけて翻訳されました。
自由で、平和で、安全で安心して暮らせる、そんな世界になることが、遺された父の願いだと。
・・・・・・・・・・・・
もう一人の父親は、白鳥晴弘さん。
息子が殺された理由を知りたいと、テロの首謀者・ビンラディンへの手紙を携えアフガンに渡ります。
その後、アメリカからの報復で負傷した現地の少年に出会います。
憎しみは憎しみしか生まないことを悟られ、
憎しみ続けるより、お互いを知ること。
お互いを知ることが悲劇を繰り返さないことになる。
今は、国際交流の場になればと、ご自身で焼き鳥屋を営み、色々な国の方が集う場を提供されています。
そのお店に、年を重ねられたもう一人の父、住山さんの姿が映ります。
お二人が交流されていたことに、ちょっぴり、アーモンドの心がホッコリ💓しました。
2001年の映像では、どちらのお父様も、まだまだ、お若く、力強いイメージでした。
60歳の頃だったのでしょうか。
20年以上経った今、年を重ねられた姿を観て、時の流れを感じました。
20年の間、悲しみ、苦しみ、怒り、さまざまな感情があったと思います。
息子を亡くした深い悲しみの中、憎しみだけで人生を終わらそうとはせず、負の連鎖を断ち切ることに目を向けられたお二人の姿。
人間って、すごいなぁ・・・
番組を観ながら、途中から、目頭が熱くなっている自分に気づきました。
息子を理不尽な形で奪われてしまい、深い悲しみや怒りを体験された父親たちの人生。
それで終わらず、そこから、新たな人生をスタートされたお二人。
その強さと優しさが、画面を通して、私の魂に響きました。
悲しみと苦しみが、人生の転機に
人生で出会う大きな悲しみや苦しみ。
それが、その人の人生の転機になることって、大いにあるような気がします。
私も、私なりに忘れられない悲しい出来事が、ありました。
大好きな母親との突然の別れ、そして愛する夫との別れ。
深い悲しみを経験し、そこから何か得られることを、無意識に探していたように思います。
どうして私が。。。私ばっかり。。。
そんな風に考えていたこともありました。
迷いながら子育てをして、やがて、自分の時間ができた50代。
色々な偶然が重なり、グリーフケアの勉強をすることになりました。
経験した悲しみを、悲しみだけに終わらせず、学ぶべきものがないかと、何かを探していたような気がします。
死別、悲嘆、そして、ケア。
今では、すっかり、遠ざかっています(⊙_⊙;)
が、この番組を観て、私自身の残された人生のヒントをもらったような気がしました。
・・・なんて、偉そうに書いたけれど、どうなることかしら・・・
「この番組は、観た方がいいよ!」
そう囁いた私の魂の声。まだまだ、錆びついてないようです(笑)
久々に、良い番組を観ることができたと、実感しました。
お二人のお父様の姿に感動したアーモンド。
・・・これからも、アーモンドの人生の旅は続きます。
(長々と失礼いたしましたm(__)m)
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