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☆映画『どうすればよかったか?』を観て

本・映画

先週、話題になっている映画を観てきました。

タイトルは、「どうすればよかったか?」

内容を簡単に説明すると、

ドキュメンタリー監督の藤野知明が、統合失調症の症状が現れた姉と、彼女を精神科の受診から遠ざけた両親の姿を20年にわたって自ら記録したドキュメンタリー。

~映画.com 解説より~

↑重く深い内容なのに、簡単過ぎで、m(__)m (詳細は、別サイトでご確認を) 

映画館は、毎度お馴染み、十三の七藝内のシアターセブンです。

小さな館内、36の席数は満席でした。(前日も満席で予約とれず⤵)

ドキュメンタリーの映画は、よく観るのですが、今回、観終わった後の感想は、

「・・・・・」

良かったもなく、悪かったもなく、一言で言うなら、重苦しさが残ったという感じです。

若い頃に統合失調症を発症、治療をしないまま、奇妙な世界に生きている(監督の)姉。

カメラの前で、真正面から問題と向き合わず、綺麗ごとや、学術的な医学の専門分野の話を嬉しそうに話す(監督の)両親。

そして、歯車が狂いだした自身の家族にカメラを回す監督。

鑑賞後、私は、受け取り方に戸惑った感じがしました。

「どうすればよかったか?」・・・

もちろん、正解を求められているわけではないことは、わかっています。

ただ、監督自身は、ご自身の家族を失敗例と断言されています。

統合失調症の治療について、

『抗精神病薬は統合失調症の治療の中心となる薬で、主として脳内のドーパミン神経の活動を抑えることにより、幻覚や妄想、考えをうまくまとめられない、気持ちをうまく表現できない、意欲がわかないなどの症状を改善し、また再発を防ぐ効果があります ~こころの健康情報局 すまいるナビゲーターより~ 』

監督が親を説得し、姉が、ようやく入院したのは、症状が出てから、既に25年経過していました。

もっと、早く治療していれば・・・

映画を観ている私もそう思うほど、治療後の姉の表情は、柔らかくなっていました。

そう考えると、両親が、姉の脱走防止のため、玄関に鎖と南京錠をつけ、適切な治療をさせなかったことは、確かに失敗と言えるのかも知れません。

家族を含めた当事者それぞれの苦悩や、不安、苦労は、想像を絶するものだと想像します。

過酷な家族の歴史を観て、深いため息がでました。

どうすればいいんだ・・・

精神を病むというのは、脳を病むっていうこと。

脳は、臓器の一部であるはずなのに、事情が異なります。

他の身体部分を病んだ場合、治療に関して、自己判断や自己決定ができるけれど、脳を病んでしまうと、自分で決定することができない。

その分、近しい他者(家族)に、治療を委ねざるを得ないケースが多くなります。

加えて、他の病気や障害と異なり、精神疾患は、周りの目を気にして、家族が閉鎖的になり、家族間のみで解決をしようと、オープンにしない傾向にあるようです。

それは何故なのか・・・

社会の目の冷たさ? 偏見?

どうすればよかったか・・・

その問いは、精神疾患の当事者や家族だけに向いているのではなく、

閉鎖的になりやすい理由、オープンにできない理由を作り出している社会全体の問題でもあるような気がするのです。

私自身にも問われているような気がししました。

そんなこんなで、

・・・・・・・モヤモヤしながら、トボトボと、寒さの中、重い足で帰路についたアーモンドでした。

この映画は、上映後、話題となり、連日、満席になっているそうです。

上映される映画館も増えていっているようですが、

興味のある方は、早めに予約された方がいいかも。。。。

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