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☆曖昧な喪失・・・映画「千夜一夜」を観て

本・映画
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昨日は、有休を取って、映画を観に行きました

劇場内は、私を含めて3名。

地方都市の映画館、しかも平日。こんなものなのかしら?

映画を見て思ったこと、つぶやいてみます。

少し、内容についても触れています。今から観る予定の方は、ご了承のうえで。。。

愛する人をいつまでも待つ女

日本では年間約8万人が人知れず消え、そして今もどこかで誰かを待ち続ける人がいる。そこにはいったいどんな物語が隠されているのか。その事象に興味を持ったドキュメンタリー出身の久保田直監督が映画化。8年もの歳月をかけて完成に至る。

映画「千夜一夜」公式サイトより

もし、愛する人が、理由もなく突然、目の前からいなくなったら、私はどうするだろう。

やっぱり、理由、原因をさぐる事に必死になると思う。

私は、夫と40代に癌により、死別している。辛いけれど、最期のときをしっかりとこの目で確認している。そして、見送ることができた。

一方の昨日の映画の主人公、登美子(田中裕子:演)は、最愛の夫の帰りを30年も待っている。

30年前に録音した新婚時代のカセットテープから流れる夫と自分の声を毎夜、聞きながら。

夫が目の前にいない事実は、私も同じなんだけれど、

モヤモヤとした感覚が、登美子の中ではずっと、渦巻いたままなんだと思う。

生きているのか、死んでいるのか、何故、自分の目の前からいなくなったのか。

曖昧なままの30年は、また、私とは異なった複雑な悲嘆があるような気がした。

待つことを止めた女

もう一人、やはり目の前から、突然、夫がいなくなった女、奈美(尾野真千子:演)が登場する。

奈美の夫は、2年前に突然、いなくなる。

新たな恋人と新たな人生をスタートさせようとした時に夫が帰ってくる。。。という展開。

待つ女、待たない女・・・私ならどうする?  なんて言う単純な問題でもないような。

理由も原因も不明、生きているのか、死んでいるのかもわからない状態は、ホントに残酷だと思う。

そして、そのような状況にいる家族が、世の中にたくさんいること、

彼ら、彼女の喪失感、想像はできても、本当の辛さは、自分が同様の経験をするまで、わかりえない。

曖昧な喪失について

グリーフケアを勉強していたときに、「曖昧な喪失」があることを知った。

Pauline Boss博士の研究が有名で、

Pauline Boss博士は、この「あいまいな喪失(ambiguous loss)」を「はっきりしないまま残り、解決することも、決着を見ることも不可能な喪失体験」と定義。

①「さよなら」のない別れ

   災害や遭難などによる行方不明に限らず、失踪、誘拐、家や故郷の喪失、離婚

②別れのない「さよなら」

   認知症、薬物やアルコール依存、抑うつ、その他の精神疾患、頭部外傷後

災害グリーフサポートプロジェクト「あいまいな喪失」情報サイトより

今回、観た映画は、行方不明になった夫を待っているので、「さよなら」のない別れに入る。

死別とは、違って、公的にも亡くなったと認められることがなく、なんとも中途半端な状態。

なので、あいまいな喪失は、悲嘆が複雑になるとのこと。

そりゃそうだよね。生きているのか死んでいるのかわからない状態だと、自分のなかでの落としどころもつけられない。

はっきりとした死別を経験した私は、最初は、夫の死が認められなかったり、現実が受け入れられないこともしばしばあった。

だけど、さすがに20年も経過すると、夫の死を受け入れている自分がいる。

それはそれで、悲しい事なんだけれど、いつの間にか、夫の死と折り合いをつけることができている。

30年待つ女、登美子は、夫の帰りを待ち続けなければならない。

折り合いをつけることもできずに。そりゃ、しんどいよね。

映画を観て

この映画のテーマは、「曖昧な喪失」なんだと勝手に解釈している私。

曖昧な喪失・・・を学んだことを改めて思い出した。

ただ、映画の感想となると、

田中裕子も老けたなぁ(だからこそ、いい味だしているけど)・・・・ということと、

暗い映画だなぁという印象。

テーマがテーマだけに、そこは、仕方ないのだけれど、

観終わった私も、なぜだかモヤモヤした感じ。(曖昧がテーマだから、仕方ないか。笑)

あいまいな喪失をテーマに描いているとすれば、そして8年もかかったという割には、

なんとなく、響くものがなかった。(全くの個人の感想。これは、人によって違うと思うので。)

(映画って、好みが分かれるので、ここは、サラリと流してもらいたい)

ひょっとして、曖昧な喪失をテーマにしたのではなく、女の生き方みたいなテーマだったりして。

好き勝手な感想で・・・すみません。

ただ、最後に、北朝鮮拉致被害者家族の人たちと重なった。

愛する娘さんをずっと待ち続ける横田めぐみさんのお母さまの姿と。

あいまいなまま、30年どころか、45年もの間、待ち続けている事実。

喪失にもいろいろあるけれど、こんなにあいまいが長期間が続くなんて。

さよならを言わずに、目の前からいなくなってしまうことで、家族の人生は、大きく変わった。

一日も早く、解決に向けて動いて欲しいと願いながら、映画の感想をつぶやいてみた。

この頃は、自宅で映画、ドラマをみることが増えています。

内容、あらすじを読んで、なんとなく、映画館に足が向いた今回の映画。

結局、自分なりのテーマをみつけて、観てしまいました。

そんな映画のことを、ぼやきつつ、いろいろ、つぶやいてみました。

今日も最後まで読んで下さって、有難うございます。

では、また。

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