映画には、好みがあります。
私の映画の好みと近い人が職場にいます。
たまに情報交換をしています。
共に、「生きる」「人間」「いのち」などに関心があり、それに、焦点を当てた映画を好んで観ています。
社会問題にも興味があり、ドキュメンタリー好きも同じです。
先日、彼女から「福田村事件」の映画を紹介されました。
「楽しい」という映画ではないけれど・・・と。
早速、今日、観てきました。・・・・・・・・・観て良かった。
重い、重い、そして・・・やっぱり、どこまでも重いテーマのドキュメンタリー映画でした。
でも、私にとって、観なければいけない映画でした。
そんな気がするのです。
怖い集団ヒステリー
2023年9月1日、関東大震災から100年の節目を迎えました。
大震災の大きさや、その影響は、なんとなく、知っていました。
震災による被害、火災の影響、そして、流言飛語が飛び交ったこと。
大震災が起きて、不安と混乱の中、人々が集団ヒステリー状況に陥ってしまった悲劇。
朝鮮人大虐殺事件など、うっすらとは知っていました。
人間が、究極に追い込まれた状況に陥ると、ヒステリー状態になり、そしてそれは、単独のものではなくなり、社会全体に広がる怖さ。
なんとなくは・・・知っていたのですが、今回、この映画を観て、人間が追い込まれた時、どんな行動を取るのか・・・
それが、一人ではなく、集団となった時の怖さを、この映画に教えてもらいました。
弱い、弱い人間の一面
ネタばれになってしまいます。。。m(__)m
関東大震災直後、流言飛語が飛び交って、「朝鮮人が襲ってくる」「朝鮮人が略奪や放火をする」などの根も葉もない噂に人の心は振り回されてしまいました。
あまり知られていないようですが、
朝鮮人と間違われた日本人にも犠牲者が出たこと・・・
千葉県福田村、利根川沿いで香川県から来ていた薬売りの人々が殺されました。
方言により、言葉が少し違うと言うだけで。。。朝鮮人と間違えられます。
いや、もちろん、朝鮮人が殺されること自体も異常なことです。
あってはならない事なのです。
そして、殺してしまった側にとっても、人として、とても悲しい事件なのです。
通常であれば、誰が、人を殺したくなるでしょうか。
映画では、目を覆いたくなるほど悲惨な場面が続きました。
実際は、もっと壮絶だったはずです。
………何故、一般の、普通の人々が、同じ人間を殺せるのか。
集団ヒステリーの怖さ、人間の脆さを考えさせられた映画でした。
マイノリティーやアウトサイダーに排他的な視線を向けることで、自分自身を安定させることができる。。。そんな弱い面を持つのも人間なのかも。
とても危うい、そして、弱い存在⤵ ため息しか出ません。
自分を安定させるために、他者を追い込む。
人って。。。本当に弱い弱いものなのですね。
そんなことを改めて感じた映画でした。
もし、興味を持たれた方は、ぜひ、観てください。
残酷で。。。残酷で。。。残酷な事件。。。
そんな悲しい、苦しい事件が日本で確かに起こったのです。
一人一人に名前があるのです。
先週以来、テレビから聞こえてくる報道が、私の胸をチクチクさせていました。
ロシア、ウクライナの報道も重い空気が、私に襲い掛かり、ドンヨリとしていたのですが。
それに加えて、イスラエルとハマスの問題😢
死者の数が1000人単位で報道されているのです。
平和に暮らしていけるはずの、市民が攻撃に巻き込まれているのです。
「福田村事件」の映画の中で、警察が「犠牲者は9名だね。」と言ったとき、生き残った薬売りメンバーの少年が語ります。
「10人です。お腹の中に赤ちゃんがいました。名前は男の子なら希望の望で『のぞむ』、女の子なら『のぞみ』でした。亡くなった他の9名にも、全員にそれぞれ、名前があるのです。」と。
生き残った少年が、殺された一人一人の名前を、愛おしそうに、呼びあげます。
そうなんです。
イスラエル、ガザ地区の犠牲者、一人一人にも、確かに名前があるのです。
犠牲者の数、それは、単なる数字、数字の塊ではないのです。
一つ一つが、一人一人の大切な命なのです。
そんなことを、あらためて。。。。
映画を観て、改めて感じました。
目を覆いたくなる歴史。そして、人間の弱さ。
そこを私に投げかけてくれた映画です。
何故か、何故なのか、私にもわからないのですが・・・
そんな映画を観なければ。。。と思ってしまうのです。
目を背けず、これからも。。。。
今日も最後まで読んで下さって、有難うございました。では、また。
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