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シクラメンの花がまだ、綺麗いに咲いています。 ピンク色が、可愛い♪
バルコニーには、檸檬色のパンジーと紫のビオラ。
花を愛でていると、なんだか優しい気持ちになります。
今日は、ホスピスで出会ったある男性の話をつぶやきます。
訪室を断られた私 ⤵
ホスピスで傾聴ボランティアをしていた時の話です。
脳腫瘍の奥様の傍らで、一生懸命、看病をされていたCさん。
毎日、昼間はずっと、病室で奥様の側にいらっしゃいました。
初めて病室を訪れた時も、座り込むこともなく、奥様の手足をさすり、向きを変えたり、とにかく忙しく動かれています、
初回訪問では、割とお話好きみたいな印象でした。
ですが、次の週、「今日もCさんを訪問しましょうか?」と看護師さんに確認したところ、
「いや、Cさん。アーモンドさんのこと、上品過ぎて、話づらいって言うてはったわ。」
ぎょぎょっ! あんなに話してくださったのに。ぎょえ~!
しかも、私、特に上品でもないと自覚しているのですが・・・何かの間違い‼?
下品でもないと思うけど。(笑笑)
どこで、どう印象を植え付けてしまったのでしょうか。・・・(すまし過ぎたかな⤵)
初対面なので、最初から、馴れ馴れしく会話することは避け、丁寧には接していたと思いますが。
私にとっては、やや、ショックでした。
にもかかわらず、笑う。ユーモアたっぷりのCさん。
ところが、病室の前を通ると、Cさん、廊下に出ていて、笑顔で会釈されます。
私も会釈だけで、別の方のお部屋を訪問していました。
訪室が終わり、廊下を歩いていると、Cさんが、また、顔を出されるのです。また会釈。(笑)
なんだか、会釈だけでは、不自然で、「その後、いかがですか?」と声をかけると、
「中で話す?」と病室に、招き入れてくれました。 ほっ。
前回同様、Cさんは、休むことなく身体を動かし、奥様のお世話をされていました。
前回同様、いろいろとお話をして下さいました。ユーモアたっぷりに。
Cさん:「あんなぁ、毎日、看護師さんが、『べっぴんさんの顔、拭きに来ましたぁ。』って入ってくるねんけど、あれ、本心、違うねんで。一字だけ違う。」
私:「?」
Cさん:「『べっぴんさんが、顔拭きに来ました。』とホンマは、言いたいねんで。(笑笑)」
こんな風に、ユーモアたっぷり。話しながら、いつも、病室を、明るくされていました。
奥様は、植物状態となっていて、会話も、意思疎通もできません。
それでも、少しでも、病室内を明るくされたかったのかなと思います。
奥様の表情は変わらないけれど、きっと心の中で、微笑んでおられたのかも。
入室される看護師さんも、上手にユーモアで返されます。
以前に、ブログで書きましたが、「にもかかわらず、笑う」が、ここでも存在していました。
最初、拒絶されてしまったのですが、その後、気持ちよく招き入れて下さったのは、最初の勘違い?に気が付かれたのかな?
上品じゃないことが、判明したのかな? (笑)
そして、病室訪問は、何度か続きました。
一人で逝かせたくないねん。花は、僕の代わり。
奥様のベッドサイドに、いつも、綺麗な花が一輪挿しに生けられていることに気が付きました。
「いつも、綺麗なお花、これ、Cさんが毎回、用意されているのですか?」と尋ねてみました。
「そうや。昼は、側に居てやれるけど、夜は、帰らなあかん。自分が帰った後、夜中に、もしものことがあったら、そして、その時、誰もいなかったら、可愛そう過ぎるやろ。せめて、一輪の花で、いいから、彼女を見送ってもらいたいなと。その花は、僕の代わりや。」
・・・・
そのCさんの言葉に、私は、胸が、いっぱいになりました。
素敵なご夫婦だなと。
Cさんは、すぐに照れながら、「あたりまえやん、夫婦やからな。」
この言葉、側にいらっしゃる奥様にも、きっと聞こえていたに違いないと、思いました。
もう、Cさんのお顔も忘れてしまいました。
でも、あの病室にあった一輪の花のこと、今でも、時々思い出します。
明るく、ユーモアたっぷりに話されたこと。
たぶん、大変な状況の奥様に、笑いが届くようにとのことだったのかな。
あれから、ずいぶん経ちましたが、私が忘れられない患者家族さんの一人です。
花とユーモア。
ご夫妻の愛の深さが伝わったエピソードです。
ホスピスには、温かさがいっぱいです。
今日も最後までお付き合い頂いて、有難うございました。では、また。
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